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【5分でわかる日本史】参勤交代は本当の目的は何なのか?

こんにちは!ヒライ王子です。
今回は、日本史に関する記事を書いていきたいと思います!

テーマは、参勤交代は本当の目的は何なのか?です!

この記事を読むと…

参勤交代の概要がわかる!
★参勤交代の本当の目的がわかる!

1.参勤交代のイメージ

さて、皆さんは「参勤交代とは何か」と問われた時、どのように答えるでしょうか。

・江戸時代に行われた
・武士(大名)が長い行列を作って江戸まで歩く

こういった回答をされる方も多いのではないかと思います。

そして、なぜ参勤交代が行われたのかと問われたら、

藩や大名の経済力を削ぐため

とお考えになる方、あるいはそう教わった方も少なくないかと思います。

果たして本当にそのような目的で参勤交代は行われたのでしょうか?
次の章ではこの点を確認していきたいと思います。

2.参勤交代の本来の目的は何だったのか

2-1.参勤交代に関する史料を読んでみよう

参勤交代は、江戸幕府3代将軍・徳川家光の時に定められた武家諸法度(寛永令)で制度化されました。

※武家諸法度:江戸幕府が大名を統制するために定めたきまり、法律。

実際に、武家諸法度(寛永令)の参勤交代に関わる部分を読んでみましょう。

一、大名小名、在江戸交替、相定ル所也。
毎歳夏四月中参勤致スベシ。従者ノ員数近来甚ダ多シ。且ハ国郡ノ費、且ハ人民ノ労也。向後其ノ相応ヲ以テ、之ヲ減少スベシ。
(笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集 再訂版』山川出版社、2019年、pp.168-169より)

史料冒頭が、いわゆる参勤交代を定めた文言なのですが、
ここでは上記史料の太字・下線部のところに注目してみて欲しいと思います。

太字・下線部を訳すと、

従者の人数が最近大変多いようである。これは1つには、領国の支配の上で無駄であり、また一方で、領民の負担となる。以後は、身分に応じて人数を減少せよ。…
(笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集 再訂版』山川出版社、2019年、pp.168-169より)

となります。

???不思議ですねえ。

もし幕府の参勤交代の目的が、

藩や大名の経済力を削ぐため

にあるとするならば、上記の文言はその目的と矛盾することになります。
(領国領民の負担になるから、むしろ人数を減らせと言っているので)

このことから、幕府が参勤交代を制度化した目的が、

藩や大名の経済力を削ぐため

ではないのではないか?という仮説が成り立ちます。

㊟:参勤交代は家光の時に「制度化」されただけであり、それよりも前から参勤交代そのものは行われていたことには注意。

2-2.参勤交代の概要を改めて確認-その目的は何なのか?-

参勤交代について、日本史の教科書や用語集、関連書籍を紐解くと、次のような記載があります。

・江戸幕府による大名統制策の一種
・一定期間、諸大名を江戸に参勤させる
→江戸幕府に対する服属儀礼の1つ
・3代将軍・徳川家光の際に出された武家諸法度(寛永令)で制度化

→規定では、国元(自分の地元)と江戸を1年ごとに往復することが義務付け
+大名の妻子は江戸に住むことを強制される
→幕末まで続く

つまり!大名を江戸に参勤させ、妻子を江戸に預けさせる参勤交代は、
「大名統制策」、江戸幕府に対する「服属儀礼」として実施されていたということです。

江戸幕府は参勤交代を通じて、大名との主従関係の構築をしようとしていたわけですね。

3.なぜ参勤交代は幕末まで続いたのか

3-1.参勤交代をめぐる疑問

しかし、ここで1つ疑問が出てきます。

なぜ、参勤交代は幕末まで続いたのでしょうか?

もし参勤交代が藩や大名にとって不満の多いものであるとした場合、藩や大名はそれを表明し、幕府に反抗することも不可能ではなかったはずです。

とりわけ、江戸幕府の成立初期であればまだ権力体としては不安定ですから、やろうと思えば反抗できた可能性はあります。

それなのに、なぜ参勤交代は幕末まで続いたのでしょうか?

3-2.参勤交代は、大名・藩にとってメリットがあった!?

なぜ参勤交代は幕末まで続いたのか。

それは、参勤交代をすることが、大名や藩にとってもメリットのあることだったからなのかもしれません。

実際、3代家光によって参勤交代が制度化される前は、幕府が強制していたというより、
大名たちの方から率先して江戸に赴いていたそうです。

なぜ大名たちはわざわざ、率先して江戸に赴いたのでしょうか?

それは、彼らが自分たちは徳川の味方だと言うことを積極的に示すためだったからであると
言われています。

また、幕府がわざわざ武家諸法度で大名行列の人数を減らすよう命じていたということは、
大名・藩が、経済的負担を負ってでも行列を大きくしていた現実があったことを示唆しています。

なぜ、大名・藩は行列を大きく見せたかったのでしょうか?

それは、戦国から「平和」になりつつある江戸の世の中で、
いかに存在感を示すかが大名・藩にとっての重大な関心事であったからです。

戦国を経た後の武士の世の中で少しでも威勢のよさを示すこと…それこそが、
大名・藩にとって大事だったのであり、それを実現する場として参勤交代が位置付けられていたと考えられています。

そのため、参勤交代は大名・藩にとって、デメリットのみならず、
メリットもあった事象だったと考えられています。

4.まとめ

最後に、この記事のまとめをしておきたいと思います。

・もともと参勤交代は、大名の側が江戸幕府の味方であることを示すために自発的に行っていたこと
・幕府は大名統制策、幕府への服属儀礼として、3代将軍・徳川家光の時に参勤交代を制度化した
・上記のような経緯で行われた参勤交代は、大名・藩にとってデメリットとともに、メリットもあることであった
・参勤交代が藩財政に影響を与え、藩の経済力を削ぐことになったのは
あくまでも「結果論」であり、本来の江戸幕府の実施目的ではない

ところで、参勤交代が行われたことは交通や貨幣に関しても影響を与えました。

今後、その点についても記事にする予定なのでお楽しみに!

それではまた!ヒライ王子でした☆彡

※参考文献
笹山晴生ほか編『詳説 日本史史料集 再訂版』山川出版社、2019年
全国歴史教育研究協議会編『日本史用語集 改訂版 A・B共用』山川出版社、2018年
松本一夫『疑問に迫る日本の歴史―原始・古代から近現代までを考えながら学ぶ―』ベレ出版、2017年
山本博文『参勤交代』講談社、1998年